2018年9月6日未明に発生した、最大震度7の北海道胆振(いぶり)東部地震。
この大地震で、北海道電力の苫東厚真(とまとうあつま)発電所が緊急停止し、その影響から北海道全域は数日間の停電となりました。
いわゆる『北海道ブラックアウト』という日本国内で初の現象を体験したワケです。
ちなみにそのとき、私は札幌の自宅寝室で就寝中。
まあ確かに揺れはしましたが、それほど地震規模が大きいとは思いませんでした。
というのも、私は東京や仙台でもっと大きな地震を体験していたからです。
なので、胆振東部地震自体は特にどうとも思わなかったのですが、停電のブラックアウトは想定外でした。
しかも、北海道全域が停電でブラックアウトとなり、3日間も電気のない生活をするとは思ってもみませんでした。
そして、
コーキ
と停電のツラさを切実に体験しました。
そこで、ここでは、北海道札幌市で3日間のブラックアウト生活をした体験から気づいたコト、役立ったコト、あってよかった停電対策グッズ情報などを、今後の防災備蓄学の備忘録代わりに体験記としてまとめました。
あなたの停電対策や必要グッズの準備などに、お役立ちできれば幸いです。
大停電は3度目の体験
ちなみに私は、今回の北海道胆振東部地震で、大地震被災は生涯3回目の体験になります。
- 2008年岩手・宮城内陸地震(震度5強、仙台市単身赴任中のマンション5階で被災)
- 2011年東日本大震災(震度5強、東京単身赴任中のオフィスビルで被災)
- 今回の北海道胆振東部地震(震度6弱、札幌市の自宅マンション6階にて被災)
ですから、大地震への備えというか、防災グッズや停電対策などに関してある程度の意識はしていました。
ですが、自宅札幌での大地震被災は初めて。
しかも、大地震後に起きた停電によるブラックアウトに対しては、必要な防災グッズ対策などをあまりしていなかったのでエライ目に合いました…。
というのも、停電によるブラックアウトだった3日間は、
- スマホの充電もできない
- 家中の電機製品が使えない
- お風呂のお湯も沸かせない
- IHコンロも使えない
- シャワートイレも使えない
- 冷蔵庫が使えないので冷凍モノがヤラれる
- マンションのエレベーターも使えない
- マンションの機械式駐車場も動かない
- マンションの電子キーも作動しない
- 夜は部屋やトイレも真っ暗
- コンビニで電子マネーを使えない
という状態でしたし、外は信号も作動していないので、クルマの運転もしたくナイ状態。
つまり、クルマで防災グッズ調達に出かけることもできず、本当に大変でした。
北海道胆振東部地震で停電になった時間
北海道胆振東部地震が発生したのは午前3時8分頃、まだ夜なので日も出ておらず真っ暗な状態です。
普通に寝室で寝ていた時に、突然下から突き上げられるような衝撃で目が覚め、約50秒近い大きな横揺れが続き、寝ぼけながらもなかなかの体験。
そして、地震発生の瞬間から、即停電。
地震の揺れが収まっても停電は復旧せず、真っ暗の中を寝室から別の部屋で充電していたスマホを取り、リビングへ行き外を見渡すと...
遠くに見える国道の信号機をはじめ、周囲は既に停電で闇に包まれていました。
北海道全域が停電ブラックアウト!?
地震のあとにすぐスマホのラジオアプリを使って情報収集をしたのですが、なんと北海道全域が停電しているという『日本初のブラックアウト状態』を知ることになりました。
しかも、ラジオアプリは、
「停電によるブラックアウトは当面の間、復旧のメドが立たない」
と報じていました。
これは困った、超不便。
深夜でも家の照明はつかないし、スマホの充電もできないし、電源を必要とするテレビやラジオは全てアウト。
マンション自体も停電ですから、エレベーターも停まったまま。
ですが、我が家(10階建ての6階の一室)は、なぜか水道は通っていたんですね、幸いにも。
つまりトイレは、照明やシャワートイレは使えないものの、水は流せる状態だったことに一安心。
そこで、水の出ているうちに『生活排水』の確保をすべく、まずはお風呂に水をため、キッチンでもあらゆるボウル類に水を汲み溜めしました。
とはいえ、ほぼほぼオール電化(ストーブだけガス)のマンションですから、電気を使う系の器具は一切使えません。
マンションの停電が復旧したのは…
北海道胆振東部地震発生後、私の住むマンションの電気が復旧したのは9月7日PM8時19分。
厳密にいうと『延べ3日間にわたるたった42時間』の停電、しかも水は充分に出る生活でしたが、それでも私達夫婦は日常生活でとても不便を感じました。
そして、
- いかに電気に依存した生活を送っていたか
を思い知らされました。
つまり、大規模な停電ブラックアウトを体験して、あらためて『停電対策グッズ』を日頃から準備しておくべき理由と大切さを体感したワケです。
前置きが長くなってしまいましたが、ここから私達夫婦の停電対策グッズあってよかった体験談をまとめます。
日常で絶対必要な停電対策グッズ5選
私達夫婦が今回の北海道胆振東部地震による大規模停電で、
「コレがあってよかったー、めっちゃ役立ったー」
と最初に感じたのは、次の5つです。
- スマホのラジオアプリ radiko
- スマホの充電用予備モバイルバッテリー
- 現金
- 乾電池の予備
- カセットコンロとガスカートリッジ
順を追って説明しますね。
1.スマホのラジオアプリ radiko
深夜に地震災害にあって停電したとき、まず手元に置いておきたいのはスマホ。
スマホは、暗闇の中ではライト代わりにもなりますから。
そして、今回一番最初に使ったのは、スマホのラジオアプリradiko。
ポータブルラジオって普段は使わない事が多く、納戸に入れたままですから、夜にスグ取り出して起動させることができませんでした。
その点スマホアプリのradikoは、スマホにアプリを落としておけば、地震災害情報をスグに確認できたので、めっちゃ重宝しました。
2.スマホの充電用予備モバイルバッテリー
私は寝る前にいつもスマホを充電しながら寝るのですが、スマホアプリradikoを地震発生後から朝までずぅーっと使っていました。
なので、スマホのバッテリーはどんどん少なくなります。
そんなときに重宝したのが、スマホの充電用予備モバイルバッテリー。
どこかへ外出したときに充電したっきりでしたから、満タン充電にはなっていませんでしたが、それでもラジオアプリを半日以上聞き続けることくらいはできました。
3.現金がないとヤバい、いくら必要?
夜が明けてから、後述するポータブルラジオや予備の乾電池などの必需品を買いに行ったのですが、コンビニをはじめどこのお店も「現金のみ販売可能」でした。
停電ですから、お店のレジも、ATMも、スマホの電子マネーも、カードマネーも全く使えないのです。
つまり、現金がないと停電時に急きょ必要となる乾電池なども防災グッズは、何も買えなくなるということ。
これは、停電対策グッズだけに限らず、車のガソリンや移動手段(タクシー)なども一緒。
乾電池などの停電対策グッズも、まとめ買いするとけっこうお金かかります。
ですから、ある程度の現金は、防災用に自宅に準備しておいたほうが良いです。
4.乾電池の予備
我が家では停電対策グッズの一つとして、「単2電池LEDランタン」を納戸のスグ取り出せるところに置いてあったのですが、コレはとても役立ちました。
ですが、単2乾電池の備蓄はさほどなかったので、停電がこのまま続くようだと絶対に追加分の電池が必要になります。
ですから、乾電池の予備も、ある程度の数量は普段から準備しておくのがベストですね。
5.カセットコンロとガスカートリッジ
我が家のキッチンはIHなので、停電になると料理も何も、煮炊きすらできません。
炊飯器も電子ジャーですから、ご飯も焚けません。
ですから、キャンプ用に買ってあったカセットコンロとガスカートリッジを早速引っ張り出してきて、とりあえず煮炊きをできる状態にはできました。
ですが、予備のガスカートリッジは2本だけど全然足りないので、これもやはり3日分くらいは常備が必要だなーと感じました。
なお、1日に2本のガスカートリッジで煮炊きをすると仮定すると、3本入りガスカートリッジは2セット常備しておくべきでしょう。
【停電被災当日】対策グッズはどこで買える?
北海道胆振東部地震の大停電から夜が明け、AM9時頃になってから私達夫婦は必要な停電対策グッズを買いに外出しました。
自宅の水は出ていますから、とりあえず確実に購入したい停電対策グッズは
- 乾電池式ポータブルラジオ
- 単2乾電池
- カセットコンロ用ガスカートリッジ
- スマホを乾電池で充電できるやつ
一番近いドラッグストア『ツルハ』へ停電対策グッズを買いに向かうも…
AM9時過ぎに自宅を出発し、まずは夫婦で歩いて近所の徒歩3分くらいにあるツルハドラッグに向かったのですが、既に80人くらいの行列待ち。
この様子を見て私は
「コレはどこもスグにモノが売り切れ状態になる…」
と感じました。
ですからツルハドラッグには奥様に並んでもらい、私は念のため保険をかける意味で、歩くと少し遠いホームセンターのホーマックに向かいました。
停電被災当日は大型ホームセンターのほうがモノは豊富!
ちなみに私がホーマックについたのはAM9時30分頃でしたが、既に推定500人以上の長蛇の列ができていました。
▲既に500人くらいの入店待ち列になっていました。
この行列を見て一瞬心が折れそうになりましたが、それでもとりあえず並んでみたんです。
▲私が並んだ後も長蛇の列になっています
▲並んでからお店側に来るまで50分くらいかかりました
結果的にコレが大正解で、奥様の並んだツルハドラッグは在庫不足で、乾電池やガスカートリッジはスグに完売となり何も購入できず。
一方、私が並んだホーマックは、お店入場まで2時間半ほどかかったものの、
- 電池は制限なく買える
- ガスカートリッジは1人1個(3本入り)
- 単1電池で動くポータブルラジオ在庫あり
ツルハドラッグで何も買えなかった奥様も合流して、必要最小限の停電対策グッズは購入できました。
このように、ホーマックのような大型ホームセンターは、倉庫も大きいので在庫数が豊富なようです。
ですから、災害時の停電対策グッズ購入は、スーパーやドラッグストアではなく迷わず大型ホームセンターに行って買うのが良いです。
ちなみに、ホーマックでも最初に売り切れとなっていたのは、次の商品でした。
- スマホ用の乾電池から充電できる充電器
- 携帯用トイレグッズ
- 大型懐中電灯
- 電池式ランタン
- 無洗米
ですから、上記の5つの停電対策グッズは、日頃から家に備蓄しておいたほうが、イザというときに
「あってよかった~♪」
となるハズです。
スマホの充電はクルマからできると超便利
また、今回の北海道胆振東部地震で、めっちゃ役に立ったのはマイカーです。
車のエンジンをかけてアイドリング状態にし、シガーソケットからAC電源変換器でスマホの充電を取りつつ、カーナビでTVを見ながら地震被害の状況把握をすることができました。
車を走らせずにアイドリング状態でスマホ充電するのは、車のバッテリー的には決して良い行為ではありません。
ですが、北海道全域の大停電ブラックアウトという非常時ですからね。
車はスマホに小一時間で満タン充電ができ、なおかつ待ち時間にカーナビでテレビが見れますから、めっちゃ便利だと思いました。
断水になってしまったら…
幸いにも、我が家は断水にはならなかったのですが、コレで断水になると、近所の水配給所まで水をもらいに行かねばなりません。
となると、
- 1日に大人1人に必要な飲料水量は2L × 人数分
- トイレは1回6L
で計算すると、トイレ小では水を流さず大のみ流すようにしても、夫婦2人の場合は、
- 最低でも1人1日あたり10Lの水が必要
になりますから、折りたたみ式のポリタンクなどを事前に準備しておいて、1日分づつ水を配給所まで取りに行かなければなりません。
北海道ブラックアウトで必要だと思った停電対策防災グッズまとめ
次のようなグッズは必需品だと身を持って体験しました。
- スマホのラジオアプリ radiko
- スマホの充電用予備モバイルバッテリー
- 現金2万円程度
- 電池式ポータブルラジオ
- 乾電池の予備
- カセットコンロとガスカートリッジ
- 節電用LED懐中電灯
- 乾電池で充電できるスマホ充電器
- 折りたたみ式ポリタンク
あとは、自宅ですとカップラーメンなど食べ物のストックは必要にはなりますが、カセットコンロで煮炊きができれば、それほど食べ物に困ることはありませんでした。
冷凍庫も食材が溶けることなく頑張ってくれましたし。
ただし、洗濯機など家電品はすべて使えなくなりますし、断水になったときのトイレ対策は、別途考えておいたほうが良いかもしれません。
なお我が家は札幌市ですから、冬に今回の北海道胆振東部地震と同じような災害が起きた場合に必須となるのは、暖房器具。
ですから、ポータブル式灯油ストーブと予備灯油も、今年の冬前までには準備しておこうと思っています。